大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和39(オ)1305 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人土田吉清、同十川寛之助、同中務平吉、同津田勍、同白井誠、同中塚

正信、同中間保定の上告理由について。

原判決は、大阪高等裁判所昭和三二年(ネ)第六三一号事件の控訴人A株式会社

の代表取締役Dは、その自由なる意思決定に基き右事件の控訴取下書を作成の上郵

便により大阪高等裁判所に提出したものである旨の事実を認定したものであつて、

右事実認定は、原判決挙示の証拠により是認できる。右控訴取下書を郵便に付する

につき、自らこれを郵便函に投函したか、これを被控訴会社の従業員に託してこれ

をなしたかは、右控訴取下の効力を左右するものでないことはいうまでもない。原

審が右控訴取下の効力を判断するにつき、本件一、二審における本案に関する証拠

調の結果を斟酌しなかつたからといつて、これを違法ということはできない。右控

訴取下書の副本が被控訴人訴訟代理人に交付されたことは、記録中の本件控訴取下

書に被控訴代理人高橋武の副本領収の手記と捺印があることによつて明らかであり、

本件記録によるも、被控訴人において、右送達方法につき異議のあることが認めら

れないから、その効力を云々する所論も理由がない。所論はまた口頭弁論の再開を

許さなかつた原審の訴訟指揮を非難するが、その弁論再開申請の内容に照し、原審

の措置に違法が認められない。また、所論は、本件控訴の取下は、右Dがその無知、

窮迫に乗ぜられてなしたものであるから、無効であるというが、そのような事実が

認められず、その理由がない旨の原審の判断は相当であり、原判決に何ら所論の違

法がない。なお、論旨第一八点の理由のないことは、原判決の説示するとおりであ

る。論旨はすべて採用できない。

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よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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